管楽器の豆知識

これから管楽器を始める方は必見!管楽器の作りや素材の説明、各部の名称などのマメ知識をご紹介します。

フルート

フルート

管体材料

白銅

銅とニッケルの合金。耐久性があり響きやすい特性を持ちリーズナブルな材です。

洋白(洋銀・ニッケルシルバー・ジャーマンシルバー)

銅、亜鉛、ニッケルの合金。軽量な材のため、初心者にも吹きやすく最適な材質。YAMAHAの楽器にはキィに多く使われています。

最もフルートらしい音色をもつ材で、絶大な人気を誇ります。白銅・洋白に比べて金属としての重量があるため、音に迫力が出るのとともに柔らかい音色が特徴。銀は柔らかいため100%銀のものはほとんど無く、他の金属(銅など)を混ぜることで強度を持たせ生成しています。銀の含有量により名称が異なり、多くは含有量92.5%(スターリングシルバー)。その他に、95.8%(ブリタニアシルバー)や99.7%(メタライズドシルバー)など、それぞれ異なった純度で作られたフルートがあります。

構造の違い

カバードキィ

キイカップがフタ状のため、キイが孔を確実に押さえ、息の漏れを防いでくれます。カバードキイモデルはオフセットキイ(左手薬指で操作するGキイがせり出し、指の長さに合った配列)とのコンビネーションにより自然で押さえやすいのが特長です。

リングキィ

キイカップがリング状のため、孔を確実に押さえるのに技術が必要ですが、指先に空気の振動を直接感じることができるため、細やかな響きのニュアンスをコントロールすることが可能です。また、指をずらすなどの操作で音程の自由度が高いのも魅力です。

オフセット

左手薬指のキィが外側(左腕に近い方)に少しずれている為、初心者向きで押さえやすくなっているキィです。

インライン

主管のキイが一直線に配列されているキィの仕様です。演奏の操作性を考えリングキィのフルートに多く採用されています。

Eメカニズム

Eメカニズムはフルートの構造上、出しづらい第3オクターブの「ミ」(E音)を出しやすくするためのキイシステムです。E音は古典派やロマン派の美しい旋律や、現代曲の技術的に高度な作品にも多用され、Eメカニズムは極めて有効なシステムといえます。

各部名称

flute各部名称
サックス

サックス

管体材料

真鍮

銅と亜鉛を混ぜた合金。展延性(加工のしやすさ)や耐久性が鉄などより優れ、外観も美しいため、古くから金管楽器の管体材料に用いられてきました。

ブロンズブラス

真鍮よりも銅の配合比率を増やした金属。一般的な真鍮に比べて幅のある豊かな音色が特徴です。

表面仕上げ

ブラックラッカー

黒色の塗料を混ぜたラッカーを塗装(シャープでパワフルな音)。

ゴールドラッカー

金色の塗料を混ぜたラッカーを塗装(シャープでパワフルな音)。

クリアラッカー

ソリッドで暗めの音。フォルテの音抜けが良いと感じられる。

銀メッキ

やわらかく明るめの音。楽器自身の特性が直接現れ、より細かなニュアンスが出せる。

金メッキ

やわらかい、比較的目立つ音。銀メッキよりは暗めの音。

種類

ソプラノ

中央C音の下のA♭から2オクターブ半、上のE音の音域。

アルト

中央C音の1オクターブ下のD♭音から2オクターブ半、上のA音の音域。

テナー

中央C音の1オクターブ下のA♭音から2オクターブ半、上のE音の音域。

バリトン

中央C音の2オクターブ下のC音から1オクターブ半、上のA音の音域。

各部名称

saxophone各部名称
トランペット

トランペット

管体材料

真鍮

銅と亜鉛を混ぜた合金。展延性(加工のしやすさ)や耐久性が鉄などより優れ、外観も美しいため、古くから金管楽器の管体材料に用いられてきました。銅と亜鉛を混ぜる比率によって音色に違いが出ます。

イエローブラス

銅70%・亜鉛30%の真鍮。明るく張りのある音色が特徴です。

ゴールドブラス

銅85%・亜鉛15%の真鍮。幅のある豊かな音色が特徴です。

表面仕上げ

ゴールドラッカー

シャープでパワフルな音。

クリアラッカー

ソリッドで暗めの音。フォルテの音抜けが良いと感じられる。

銀メッキ

やわらかく明るめの音。楽器自身の特性が直接現れ、より細かなニュアンスが出せる。

金メッキ

やわらかく比較的目立つ音。銀メッキよりは暗めの音。

ベルの加工方法

1枚取りベル

伝統的な工法で、職人の卓越した技術によって作られる手法。

2枚取りベル

加工が比較的簡単な為、リーズナブルで個体差の少ない安定した品質。

支柱について

なし

明るく、抜けがよい。軽い音色。

1本

豊かだが、ある程度の抵抗感。

2本

かなりの抵抗感があり、重い音色。

ボアサイズ

M(ミディアムボア) φ11.3mm(管内径)

ML(ミディアムラージボア) φ11.5mm(管内径)

L(ラージボア) φ11.73mm(管内径)

ボアというのは管の円周部分の直径のことを言います。このボアのサイズにより息の量が決められ、音色が変わってきます。ボアには、サイズの小さい順にミディアム・ボア、ミディアム・ラージボア、ラージ・ボアがあり、直径の小さなものほど必要な息の量が少ないために吹きやすく、音色は繊細でしっとりとしたものになります。逆にボアのサイズが大きくなると、息の量も必要となり音色・音量ともに豊かで華やかなものとなります。

各部名称

trumpet各部名称
クラリネット

クラリネット

管体材料

ABS樹脂

湿度変化に強くリーズナブルな樹脂材です。初心者にも比較的扱いやすく入門モデルの楽器に多く使われます。樹脂製のリコーダーと同じ材質です。

グラナディア

一般的に最も多く使われる黒くて硬い木です。金属加工なみの精度が得られ木としては温度、湿度による寸法の変化も小さいのが特徴です。

システム

エーラー式

運指が複雑であり、ドイツ国内及び一部のプレーヤーが使用しています。暗くて渋い音色を持っています。

ベーム式

エーラーシステムの複雑な構造と運指を改良し、扱い易くしたもので、フランスを中心に全世界で最も使用されている一般型。音色は明るく華やかです。

リフォームドベーム式

エーラーの音色をベームシステムの運指で可能にした楽器です。ヤマハではドイツベーム式と呼んでいます。

種類

B♭管

総合的に優れた機能を持つB♭管が一般的で、ソロやオーケストラはもちろん、吹奏楽では大活躍します。

E♭管(エスクラ)

B♭管より完全4度高い楽器で、合奏では音色に幅を与えます。吹奏楽、オーケストラ共に良く用いられます。

バスクラリネット

B♭クラリネットより1オクターブ低い楽器です。低音域は強力な響きを持ち、同じ音域のファゴットより強弱が自由なため、大編成の吹奏楽では木管楽器全体を支える役割です。オーケストラ、ジャズでもその特有の音色が買われ、良く用いられます。

各部名称

clarinet各部名称
ホルン

ホルン

管体材料

真鍮

銅と亜鉛を混ぜた合金。展延性(加工のしやすさ)や耐久性が鉄などより優れ、外観も美しいため、古くから金管楽器の管体材料に用いられてきました。銅と亜鉛を混ぜる比率によって音色に違いがでます。

イエローブラス

銅70%・亜鉛30%の真鍮。明るく張りのある音色が特徴。

ゴールドブラス

銅85%・亜鉛15%の真鍮。幅のある豊かな音色が特徴。

洋白

銅、亜鉛にニッケルが加わった、白色で光沢のある合金。軽量で且つ耐摩耗性や耐蝕性に優れています。

デタッチャブルと一体式

デタッチャブル

ベルが取り外すことができるシステムで、コンパクトになるために持ち運びに便利で、ケースも小さくてすみます。深みのある音色が特徴です。

一体式

トランペットなどと同様にベルが取り外しができないようになっており、明るい音色になります。

種類

シングルホルン

B♭管とF管の2種類あります。F管はホルンの基本的な調子で、独特の美しい音色を持っています。

ダブルホルン

現在最もポピュラーなホルンでフルダブルとセミダブルの2種類あります。

ダブルホルン【フルダブル】

現在もっとも広く使われている一般的なタイプで、ひとつの楽器でFとB♭の両方の調子を出すことができ、F、B♭両 方の音色が得られます。

ダブルホルン【セミダブル】

B♭管と、B♭管につなげてF管に出来る補正管がついた楽器で、フルダブルホルンより軽量です。

トリプルホルン

1本の楽器で3種類の調性を切り替えられるようにしたもので、多様なジャンルの楽曲で要求される幅広い音域に1本の楽器で対応できます。

各部名称

horn各部名称
トロンボーン

トロンボーン

管体材料

真鍮

銅と亜鉛を混ぜた合金。展延性(加工のしやすさ)や耐久性が鉄などより優れ、外観も美しいため、古くから金管楽器の管体材料に用いられてきました。銅と亜鉛を混ぜる比率によって音色に違いが出ます。

イエローブラス

銅70%・亜鉛30%の真鍮。明るく張りのある音色が特徴です。

ゴールドブラス

銅85%・亜鉛15%の真鍮。幅のある豊かな音色が特徴です。

種類

アルト

テナートロンボーンより小ぶりで、E♭管です。音色もテナートロンボーンに比較してやや明るく軽やかです。トランペットと相性がよく、しばしばオーケストラで使用されます。

テナー

トロンボーンの基本形で、B♭管です。細管は音にスピード感があり、上級者で高音域を専門に演奏したり、ジャズ、ポピュラー等に向いています。

テナーバス

テナートロンボーンに、主にF管を取り付けたもので、Fレバーで切り替えられます。低音域が拡大しスライドの替えポジションにより操作性が向上します。太管はテナーよりテナーバスが一般的で、機能性に優れ上から下までまんべんなく演奏できますが、音色、音量ではテナーに一歩譲ります。上級者向きの楽器です。

バス

B♭管のテナーバストロンボーンを更に太くした楽器で、B♭管では出せない低音域を補うために、音を低くする為の管を1個ないし2個装着し、ロータリーヴァルブにより切り替えをする装置のついた楽器です。管が太い点以外はテナーバスと同じですが、大きい口径のマウスピースを使用することで、低い音がより出しやすくなります。

表面仕上げ

ゴールドラッカー

シャープでパワフルな音

クリアラッカー

ソリッドで暗めの音。フォルテの音抜けが良いと感じられる。

ボアとは

ボアは管の円周部分の直径のこと。ボアのサイズによって、息の量や抵抗感に変化があり、音色が変わってきます。トロンボーンのボアには、サイズの小さい順に細管、中細管、太管があり、直径の小さなものほど必要な息の量が少ないために吹きやすく、音色は繊細でしっとりとしたものになります。逆にボアのサイズが大きくなると、息の量も必要となり音色・音量ともに豊かで華やかなものとなります。また、スライドの中管のサイズが上下管で異なるデュアルボアもあります。

ボアサイズ

太管

合奏において音量豊かにハーモニーを作るのに適する音色で、大編成オーケストラ奏者に好まれています。近年、吹奏楽でも多く使われます。

中細管

比較的新しいタイプで、太管と細管の中間的存在です。オーケストラの第一奏者や、太めの音を求める吹奏楽に適しています。

細管

明るい音で、デリケートな高音が出しやすく、どちらかといえば独奏に向いています。ジャズ・ポピュラー奏者にも好まれています。

デュアルボア

スライドの中管のサイズが上下管で異なる事をいいます。上管よりも下管の方が多少太めになっています。これにより、音色や音の広がり、柔軟性などが微妙に変化します。

各部名称

trombone各部名称