PAイベント機材特集

バンドのライブ、町内会のお祭、学校の運動等、様々なイベントを行う際に必ず必要になるものが音楽を流すためのスピーカーやミキサー等のPA機材です。

「イベントを企画したけど規模にあったスピーカーが分からない…。」
「今持っているPA機材を買い替えたい…。」

そんな悩みをお持ちの方に役立つPAの基礎知識と目的にぴったりあったPA機材をご紹介します。

PAとは?

Public Addressの略で「大衆に伝達する」と言う意味で、PAセットとは「多くの人に音を伝える音響システム」のことです。近年ではProffesional Audioと表記されるケースもあります。代表的なPA機材としては音の出口である「スピーカー」や、手元で音質を調整する「ミキサー」がありますが、マイクやケーブル類も含めてPA機材と総称される場合もあります。

つまりPAセットとは、演奏者の音を拾い、集約し、調整・増幅してスピーカーから出力するためのシステムなのです。聴衆の耳に届くサウンドはPA機材の選び方、使い方で大きく変わります。PAシステムはイベントの出来を左右するとても重要な存在と言えるでしょう。

主なPAシステムの構成(音の入力〜出力の流れ)

  • 1.音を入れる

    ■マイクからの入力

    スピーチや歌、アコースティック楽器等はマイクを使用して入力します。

    ■ラインからの入力

    キーボードなどの楽器はオーディオケーブルでミキサーに繋ぎます。

  • 2.音をまとめて調整する

    ■ミキサー

    入力された音をまとめ、最適なバランスに整えて聞きとりやすい音を作るための機材です。
    内蔵エフェクター等で音に変化をつけることもあり、音質に最も大きな影響を与えるのが、この機材です。

  • 3.音を増幅させる

    ■パワーアンプ

    調整された音をスピーカーに送る為に増幅させるのがパワーアンプです。
    パワーアンプには専用機のほか、ミキサーやスピーカーに内蔵されているタイプもあります。

  • 4.音を出す

    ■スピーカー

    聴衆に音を届けるPAシステムの出口です。
    メインスピーカーの他、演奏者が音を確認するためのモニタースピーカー、低音に特化したサブウーファー等があります。

マイク

マイクの種類

マイクには大きく分けて2種類「ダイナミックマイク」と「コンデンサーマイク」があります。おおまかなイメージで言うとカラオケ等でよく目にするのがダイナミックマイク、ミュージシャンがレコーディングシーンで使う天井からぶら下がっているのがコンデンサーマイクです。

■ダイナミックマイク

ダイナミックマイク

用途やメーカーによって形状は異なりますが、主な特徴としてダイナミックマイクは構造が比較的単純でノイズにも強いため、高い音圧にも耐えられ大音量の入力が可能です。また、電源供給不要でスピーカー等にケーブルで繋ぐだけで使用出来るのでライブからレコーディングまでほぼ全ての用途に使用出来るマイクです。

■コンデンサマイク

コンデンサマイク

コンデンサマイクはミキサー等に搭載されている「ファンタム電源」を接続ケーブル経由で供給させて使用します。構造も複雑で、環境(湿気、温度等)の影響を受けやすく取り扱いに注意が必要です。デリケートではありますが、その分非常に高感度でダイナミックマイクよりも高音質での集音が可能なため、レコーディングやコンサートホールで使用されています。なかには、コンデンサマイクでありながらノイズ等への耐性を持ったダイナミックマイク寄りの特徴を持ったものも存在しています。

ワイヤレス(無線)とワイヤード(有線)

マイクはカラオケ等で一般的なワイヤレスのものとライブ等で使用されるワイヤードの2種類があります。ワイヤレスマイクはケーブルが無い為、取り回しの良さが特徴です。ライブで動き回りたいボーカリストや広い会場でのスピーチでよく使用されています。ワイヤードタイプはケーブルで接続するので、動きには制約がありますが音質面ではワイヤレスよりも優れており、演奏者が基本的には動かないのであればワイヤードマイクを使用します。音質が優れているため楽器用のマイクはほぼワイヤードとなっています。

ワイヤレスマイクイメージ

ワイヤレスマイクイメージ

ワイヤレスマイクに内蔵された送信機からミキサーやスピーカーに接続された受信機に電波が送られて音が出る。

ワイヤードマイクイメージ

ワイヤードマイクイメージ

マイクとミキサー/スピーカーを直接ケーブルで接続して音が出る。

ミキサー

ミキサーはボーカルや楽器の音をまとめ、調整し、スピーカーへ出力する、PAシステムを構築する上で最も重要な機材です。ミキサーを選ぶポイントは入出力端子の数エフェクトの有無です。

端子の種類必要な入力端子の数は使用するマイクや楽器の数によって決まります。一般的にマイクはマイク入力端子(XLR端子)に、シンセサイザーなどの楽器はライン入力端子(フォン端子)に接続します。

出力端子は設置するスピーカーの数だけ必要です。スピーカーは会場の広さや、バンド編成によって使用する数や種類が異なります。たとえばドラマーは演奏音のモニタースピーカーの他、メトロノーム音も流して欲しい場合があるため、別途専用のモニタースピーカーが必要になります。

このようにミキサーを選ぶ際は、まず実際に使用するシーンから、使用する予定のマイクや楽器、設置スピーカーの最大数を想定することがポイントです。

エフェクターは各演奏者が自分の手元で操作している場合もありますが、ミキサー側でエフェクトを掛ける場合もあります。たとえば「コンプレッサー」は音量のばらつきと整えたり、音圧をかせぐ効果があり、バンドサウンドに安定と迫力を持たせる事が出来るのでミキサー側で使用する頻度が高いエフェクターです。簡易的なミキサーにはエフェクターが搭載されていないものあります。また、搭載されているモデルでもグレードによってエフェクトの種類や数に違いがあります。

■ミキサーの機能

ミキサーの機能

■音量のバランス調整

マイクや楽器の音の信号は小さいため、ミキサーに接続した後に入力レベルをGAINツマミで調整し、出力レベルを各チャンネルのフェーダーで調整します。特にボーカルは他の楽器より音声信号が弱いため、この調整で他パートに埋もれない様に音量を上げます。

まずはノイズが入らないレベルまでGAINを上げ、その後チャンネルフェーダーで調整して下さい。各チャンネルのバランスを整えた後にマスターボリュームで全体の音量を決めます。

■コンプレッサー

コンプレッサーは音声信号が一定レベルを超えた時に最適なレベルまで信号を圧縮するためのエフェクターです。通常、ミキサーの0dbの位置が基準レベルとして扱われていますが、大きな音を入力した場合、ミキサーの許容範囲を超えるとノイズが発生してしまいます。

コンプレッサー

コンプレッサーはこの過大入力を抑える事でノイズの発生を回避出来るほか、最大レベルを圧縮(コンプレッション)することで最小レベルとのバランスが取れるため、小さな音でも聞き取りやすくなります。このように音の調整には非常に有効ですが、使いすぎるとハウリングしやすくなるので、やや抑えめに使用しましょう。

■コンプレッサー使用例
バンドで録音をしてみたらボーカルが埋もれてしまい聞こえにくくなっていた時

コンプレッサー使用例1

ボーカルがBGM(他楽器)の音に埋もれている状態。重なっている部分でボーカルが埋もれてしまっている。

コンプレッサー使用例2

ボーカルを聞こえやすくする為にボリュームを上げると0dbを超えてしまいノイズになってしまうためボリュームを上げる事が出来ない。

コンプレッサー使用例3

コンプレッサーを使用しあらかじめ指定したラインより大きな音の場合は音を圧縮する(コンプする)。

コンプレッサー使用例4

コンプした事によりコンプ前よりも0dbまでのスペースに余裕ができる。

コンプレッサー使用例5

ノイズを発生させることなくボーカルのボリュームを 大きくできるようになり、ボーカルを際立たせる事が出来る。

■イコライザー(EQ)

イコライザーいくつかの帯域(高音・中音・低音等)別に音の増減をする機能です。補正を行う事で聞き取りやすくなるので楽器別にバランスを整えます。バンドの場合ですと高音域にはギターやドラムシンバル、中音域にはボーカルとキーボード、低音域にベースやバスドラムが主に存在しており、各帯域を増減すると下記の様な効果を得られます。

増幅 減衰
高音
(HIGH)
音にメリハリが出る。増大させると金属的な音になる。 音が丸くなり、他パートが聞き取りやすくなる。
中音
(MID)
ボーカル音の主な帯域の為、ボーカルが聞き取りやすくなる。 楽器音の主な帯域の為減衰すると落ち着いた音になる。
低音
(LOW)
音に力強さが出る。増大させるとややこもった音になる。 音がすっきりして軽い音になる。

パワーアンプ

ミキサーに集められた音をスピーカーに送る前に増幅する機材が「パワーアンプ」です。パワーアンプは専用機もありますが、ミキサーやスピーカーに内蔵されている機種も多く、「パワードミキサー」「パワードスピーカー」と呼ばれています。「パワードミキサー」「パワードスピーカー」は結線をシンプルにする事が出来るので、ライブハウス等でもよく使用されています。手軽にすばやくイベントの準備・設営をしたい場合には「パワードミキサー」「パワードスピーカー」が便利です。

パワードミキサーの使用ポジション

パワーアンプを内蔵しているので結線を簡略化出来る。
会場の広さが変わった場合等にはスピーカー部分だけを変更すれば対応できる。

パワードミキサーの使用ポジション

パワーアンプ専用機の使用ポジション

出力するスピーカーに最適化された専用のパワーアンプを内蔵しているため、 音圧レベル等を気にせず簡単に使用できる。
マイクとギター等シンプルな機材構成ならミキサーを使用せずに直接接続できる。

パワーアンプ専用機の使用ポジション

スピーカー

スピーカー

スピーカーは聴衆に音を届けるPAシステムの出口になります。スピーカーを選ぶポイントは「音圧」、「カバー出来る範囲」、そして「設置位置」です。

「音圧」はパワーアンプでどれぐらい増幅させ、どれぐらいのレベルでスピーカーから出力するのかで決まります。おおよその目安としてはパワーアンプの1W(1ワット)で観客数1人に対応出来ると言われています。しかし、ロック等、より高い音圧を求める音楽ジャンルでは求められるワット数も観客1人当たり3W以上になります。また屋外では音が拡散するため、より高い出力数が求められます。

「カバー出来る範囲」とはスピーカーの音が届く距離のことです。スピーカーから近い位置にいる人には比較的容易に音を届ける事ができますが、スピーカーから離れた位置に音を届けるためには音圧の他、設置する位置や高さが重要になります。また人が多くなればなるほど音を吸収してしまうため、さらに音は遠くに届きにくくなります。このような場合にはスピーカーの数を増やす、スピーカースタンドを利用して高い位置から鳴らすなど「設置位置」の工夫で広範囲をカバーできるようになります。

モニタースピーカーについて

バンド演奏などでは全体の音量が大きすぎて自分の演奏が聞こえない場合があります。これを解消するのが「モニタースピーカー」です。モニタースピーカーが設置されていれば、自分の音を聞き取れずに音やリズムを外してしまうことを避けられます。イヤホンを利用したモニターもありますが、演奏者の足元にモニタースピーカーを設置するのが一般的です。設置の際はマイクとモニタースピーカーの位置に注意してハウリングを避けるようにしてください。

モニタースピーカー設置例

ケーブル

端子の種類

■XLR端子

XLR端子

主にマイク入力やスピーカー入力に使用される端子でケーブルが抜けない様にロックが付いています。別名キャノン端子。

■標準フォーン端子

標準フォーン端子

フォーン端子とも呼ばれ、様々な機材に使用されています。ギターのシールドにはこのフォーン端子が採用されています。

■RCAピン端子

RCAピン端子

オーディオ機器で使用されている端子で、音声だけでなく映像の出力にも使用されています。

■ミニ端子

ミニ端子

正式にはミニフォーン端子と言い、スマートフォンやMP3プレーヤーのヘッドホン端子などで使われています。

■スピコン端子

スピコン端子

スピーカーケーブルを接続する端子でXLRと同じくロック機構が付いています。誤ってケーブルが抜けるなどのトラブルを避けるため、比較的規模の大きなライブ等でよく使用されています。

ケーブルの種類

■マイク/ラインケーブル

バランス型

マイクケーブル等プロオーディオケーブルに使用される型で、ノイズに強く音質も優れています。ボーカル用ケーブルとしては、このバランス型のマイクケーブルがお勧めです。

  • 主な使用端子:
  • XLR端子
アンバランス型

主にライン入力の楽器の接続に使用されます。バランス型に比べるとノイズに弱いですが、10m程度であれば大きな差はありません。比較的安価で様々な機材に使用できます。

  • 主な使用端子:
  • 標準フォーン
  • RCAピン
  • ミニ

■スピーカーケーブル

パワーアンプとスピーカーを繋ぐためのケーブルです。大容量の電気信号を効率よく伝達できる耐久性に優れたつくりになっています。

  • 主な使用端子:
  • スピコン
  • 標準フォーン